あらたな戦前にさせない!守ろう 平和といのちとくらし、2023憲法大集会アピール


あらたな戦前にさせない!守ろう 平和といのちとくらし、2023憲法大集会アピール

2015年5月3日、憲法の改悪を許さず、憲法理念の実現を求めて、横浜臨港パークで多くの市民や労働者の参加のもとで開催した「5・3憲法集会」は、全国各地の市民の皆さんの共同行動とともに継続され、、コロナ禍を乗り越え、今年で9回目になりました。

しかし、国際情勢をみると、少なからぬ国々と地域で戦火はやまず、昨今はわたしたちの日本でも「新たな戦前」という言葉が現実味をもって語られる時代になりました。

昨年2月、ロシアは2度にわたる世界大戦を経て人類が獲得した国連憲章の「国際紛争を平和的に解決する原則」に反し、ウクライナへの軍事侵攻を開始しました。このウクライナでの戦争は多くの人々の犠牲を伴いながら、1年以上をすぎてもいまなお収束の兆しがありません。ロシア軍の即時撤退・停戦が切実にのぞまれています。

しかし、逆に東アジアでもこれを口実とした軍事的緊張がつよまっています。

岸田文雄政権は昨年末、「台湾有事」などの危機を煽りながら、閣議決定のみで「安保3文書」採択を強行し、軍事費の対GDP比2%、5年間で43兆円という異常な軍拡を企て、従来からの「専守防衛」原則を投げすて、敵基地攻撃能力の保有と南西諸島のミサイル基地建設強化をめざすなど、日米同盟を支えに、戦争する国への道を突き進んでいます。

憲法9条にもとづいた外交努力による近隣諸国との友好共存関係の積み上げを怠り、列強との軍事同盟や軍事協力を強化し、軍事力を強化して緊張を煽り立て、いたずらに他国を誹謗し、戦争の危機をあおり立てるこの道は、日本を際限のない軍拡競争にひきずりこみ、やがて壊滅的な戦争の勃発を招きかねないものです。この道は日本がかつて歩んだ道に他なりません。

いま通常国会では、衆参両院で3分の2の議席を占めるに至った改憲勢力によって憲法審査会がひんぱんに開催され、憲法への自衛隊の明記や緊急事態条項の新設など、憲法改悪への議論が強引に進められています。

私たちは現在の審査会の論議が、戦争の危機を煽りながら進められている軍事大国化、「戦争する国」づくりの正当化のため、性急な憲法改定のみを求めるものとなり、憲法が示す平和・人権・民主主義の理念の実現を真剣に議論するものになっていないことを深く憂慮します。

本日、日本国憲法施行76周年にあたる5月3日、東京都防災公園に集まった私たち市民は、集会の総意において、平和を希求する全世界の民衆に連帯し、なかんずく戦禍の下で苦しむウクライナやミャンマーなどの民衆に連帯して、憲法9条を掲げ世界の市民とともに反戦・平和の闘いに全力を挙げてとりくむことを、宣言します。

2023年5月3日
あらたな戦前にさせない!守ろう 平和といのちとくらし、2023憲法大集会