憲法審査会の再始動に反対する



安倍改憲のための憲法審査会を再始動するな!

抗議先FAX
自民党憲法改正推進本部長 下村博文03-3597-2772
憲法審査会与党筆頭幹事 新藤義孝03-3508-3313
憲法審査会会長 森英介03-3592-9036
公明党憲法調査会長 北川一雄03-3508-3533


憲法審査会の再始動に反対する

いま198通常国会の予算審議が終わった隙に、与党などから衆院憲法審査会の再始動の動きが強まっている。

衆院憲法審査会の森英介会長は3月28日に続いて、この3日にも野党の意見もきかないまま職権で幹事懇談会の開催を決めたが、与野党の合意に至らず開かれなかった。

憲法審査会がなぜ開催できないのか。与党などは「職場放棄」などと野党の対応を攻撃するが、それはまったくお門違いだ。

第1に、ほとんどの世論調査をみても、政治に求める政策の優先順位では「憲法改正」は最下位だ。いま憲法改正を急いでいるのは安倍首相らだけだ。

憲法審査会が容易に開催されない第2の理由は、内閣総理大臣たる安倍首相がこの間、繰り返し憲法99条に違反するおそれのある改憲を求める発言を重ね、これを巡って「憲法論議のための静かな環境」が醸成されていないためだ。

安倍首相は今年になってからでも、1月5日の下関市の後援会での挨拶、通常国会での施政方針演説、2月10日の自民党大会での挨拶、通常国会での予算委員会での答弁、3月17日の防衛大学校卒業式での挨拶などで、改憲や改憲を示唆する演説を繰り返している。これは断じて容認できない。

とりわけ自民党大会で9条改憲の口実に「自衛隊募集に対して都道府県の6割以上が協力を拒否している」ことを挙げたことは重大だ。これは全く事実と異なっている。首相はのちに「都道府県」を「市町村」と変更したが、問題は同じであり、このフェイクについての首相の謝罪がない。岩屋防衛相すらこの首相発言の誤りを訂正せざるを得ない始末だ。

こうした憲法99条違反にかかわる一連の首相の言動の掘り下げた検討と謝罪なしに、憲法審査会が開催できないのは当然だ。

憲法審査会は2000年の憲法調査会発足以来、「最高法規である憲法に関する論議においては、政局にとらわれることなく、憲法論議は国民代表である国会議員が主体性を持って行うべきとの共通認識に基づき、熟議による合意形成」を重視するという建前で運営されてきた。

党利党略で、この原則を破り、官邸の意思を忖度して、憲法審査会の正常な運営を壊してきた責任はあげて与党、自民党にある。正常化を望むなら、まず自民党がその環境をつくり出すべきだ。このまま憲法審査会を開くことができないのは当然だ。

まして昨年の臨時国会期間に、野党の同意がないままに森会長が職権で審査会を開催し、のちにこの乱暴な運営を謝罪したばかりだ。いままた、与党などがこの誤りを繰り返そうとしている事態をみて、その性懲りもない国会運営に唖然とせざるをえない。

憲法審査会は再始動させるべきではない。

安倍首相らは憲法違反の改憲策動をやめよ。

与党改憲派は民意を尊重せよ。

2019年4月3日
戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会
安倍9条改憲NO!全国市民アクション