「私たちも辺野古新基地建設に反対します」――沖縄県知事選を迎えるにあたっての共同アピール――


私たちも辺野古新基地建設に反対します

――沖縄県知事選を迎えるにあたっての共同アピール――

※賛同人名簿を更新しました(2018.9.17)
※賛同人名簿と賛同人からのコメントのファイルに、第二次締め切りの結果を追加しました(2018.9.14)

翁長雄志沖縄県知事が8月8日、急逝されました。防衛局が辺野古の海への土砂投入を通告していた17日を目前に、前知事の埋立て承認の撤回を表明した直後のことでした。

「辺野古に基地は作らせない」を旗印に、基地に頼らず基地に縛られない、沖縄の自立的振興をめざした「オール沖縄」として、圧倒的支持を得て当選した翁長知事でした。また、2013年と16年の参院選、2014年と17年の衆院選で、いずれも野党が圧勝しました。そこには、沖縄戦そして戦後の沖縄の苦難を踏まえ、平和な将来を願う沖縄の人びとの希望が民意として明確に示されていました。

しかし、安倍政権はそうした民意を徹底的に無視してきました。2012年には、普天間基地へのオスプレイ配備を認め、住民の抗議にもかかわらず日夜市街地の上空を飛ぶことが日常化しています。16年には、そのオスプレイが名護市沿岸の集落近くで墜落しました。同年、うるま市で元海兵隊員が強姦殺人事件を起こし、1995年の少女暴行事件以来なんら変わらなかった沖縄の厳しい現実を再認識させられました。
ところが政府は、米軍の特権を定めた日米地位協定に手を付けるどころか、こうした事故や事件さえ辺野古新基地建設を進める口実にし、「基地負担を軽減するため普天間基地の移転を急ぐ」として16年夏には辺野古新基地建設に向けた本格工事に着手しました。

高江のヘリパッド建設では、全国から警察機動隊を動員して反対運動を押し潰し、自然豊かなヤンバルの森を切り崩しました。辺野古に新基地が建設されれば、貴重なジュゴンやサンゴなどが生命を奪われることは明らかで、世界中が危惧しています。特に大浦湾には、豊かな生態系の絶滅の危機とともに、巨大な構造物に不適な超軟弱な海底地盤や活断層の存在も指摘されており、これらが翁長知事の「撤回」理由になっているのは当然です。

また、一方で政権の私物化や官僚機構の劣化の責任を厳しく問われる安倍政権は、その陰で与那国・宮古・奄美などに続々と自衛隊基地を建設し、南西諸島の軍事基地化を進めています。その口実としているのは、中国の進出や北朝鮮の「脅威」です。しかしこれは、東アジアの安定を確保するのでなく、逆に緊張を高めるだけです。「武力で平和はつくれない」からです。実際、今年に入って初めての米朝会談が実現し、朝鮮戦争以来半世紀以上にわたる半島での対立関係が解消に向かう可能性が開かれました。これを確実な東アジアの平和へ導くことこそ政府の責任であり、沖縄に強引に新基地を建設するのは、この流れと責務に逆行することにほかなりません。新基地はその規模と役割から、一度できたらこの先百年、二百年と、沖縄を「基地の島」にし続けるでしょう。

このような理不尽な状況下で、翁長知事は道半ばで斃れました。いま、新基地建設で決定的な土砂投入を許すのか、埋立て承認撤回でそれを止めることができるかの瀬戸際にあります。その中で新しい知事を選ぶ選挙が行われます。
73年前の沖縄戦の悲惨な記憶をも無視して、もう一度沖縄を軍事体制の犠牲にするのか、長い間構造的差別に耐えて闘ってきた沖縄の人びとと心をひとつにして新基地建設を阻止するのかが、いま私たちに問われています。沖縄に矛盾のすべて押し付ける日本政府の差別と暴力的政策を許してきた、私たちの運動の弱さを痛感しながら、「沖縄にこれ以上、新たな基地は作らせない」と声をあげ、安倍政権に新基地建設中止を要求しようではありませんか。

2018年8月31日

【呼びかけ人】(50音順)
・青井未帆(学習院大学教授)
・阿部悦子(辺野古土砂搬出反対全国連絡協議会共同代表)
・石川勇吉(愛知宗教者平和の会代表世話人・真宗大谷派僧侶)
・内田雅敏(弁護士)
・飯島滋明(名古屋学院大学教授)
・右崎 正博(日本民主法律家協会理事長)
・内橋克人(経済評論家)
・大熊 政一(日本国際法律家協会会長)
・小田川義和(戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委委員会共同代表)
・小武正教(念仏者九条の会共同代表・浄土真宗本願寺派僧侶)
・落合恵子(作家)
・小野文珖(群馬諸宗教者の集い代表・日蓮宗僧侶)
・勝谷太治(日本カトリック正義と平和協議会会長・カトリック司教)
・鹿野政直(歴史学・早稲田大学名誉教授)
・鎌田慧(ルポライター)
・金性済(日本キリスト教協議会総幹事・牧師)
・香山リカ(立教大学教授)
・川井貞一(首長9条の会長)
・北村 栄(青年法律家協会弁護士学者合同部会議長)
・清末愛砂(室蘭工業大学大学院准教授)
・小森陽一(東京大学教授)
・西郷南海子(安保関連法に反対するママの会)
・佐々木猛也(日本反核法律家協会会長)
・佐高信(評論家)
・佐藤学(学習院大学教授・東京大学名誉教授)
・澤地久枝(ノンフィクション作家)
・清水雅彦(日本体育大学教授)
・菅原文子(農業生産法人代表)
・諏訪原健(元シールズ)
・瀬戸内寂聴(作家)
・平良愛香(平和を実現するキリスト者ネット事務局代表・牧師)
・高田健(戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会共同代表)
・高野孟(ジャーナリスト)
・寺西俊一(帝京大学教授・一橋大学名誉教授)
・中野晃一(上智大学教授)
・西谷修(立教大学教授)
・花輪伸一(沖縄環境ネットワーク世話人)
・菱山南帆子(福祉施設職員)
・広渡清吾(東京大学名誉教授)
・福山真劫(戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会共同代表)
・船尾 徹(自由法曹団団長)
・前田哲男(ジャーナリスト)
・宮里 邦雄(社会文化法律センター共同代表理事)
・宮本憲一(大阪市立大学名誉教授・滋賀大学名誉教授)
・山口二郎(法政大学教授)
・吉田行典(日本山妙法寺大僧伽首座・僧侶)
・渡辺治(一橋大学名誉教授)
・和田春樹(東京大学名誉教授)

以上

沖縄アピール賛同人名簿(第二次締め切りの結果)

寄せられた賛同人の方々のコメント(第二次締め切りの結果)