総がかり行動実行委員会が、自衛隊の南スーダン派兵に反対して防衛省などに申し入れ

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内閣総理大臣 安倍晋三 様
防衛大臣   稲田朋美 様

2016年11月2日
戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会
共同代表 高田健、小田川義和、福山真劫

南スーダンへの武力行使できる自衛隊派遣に反対

政府・防衛省は、南スーダンPKOに派遣する自衛隊(第11次隊)に駆け付け警護や宿営地の共同防護、住民保護・治安維持などの「新任務」を付与し、「任務遂行のための武器使用」を認めようとしています。これは憲法9条に抵触し、自衛隊員と南スーダンの人びと双方の生命をも危うくするものです。自衛隊員が他国民を殺すことも、殺されることもあってはなりません。政府は、南スーダンPKOへのかかわり方を全面的に見直し、内戦終結のための外交努力と、戦火や暴力、飢えなどに苦しむ住民への緊急支援に全力を注ぐべきです。次のことに明確な回答を求めます。

1、南スーダンでは、2014年に停戦で合意、15年に和平協定も結ばれましたが、その条件は守られず、大統領派と副大統領派の武力衝突が続いてきました。今年7月には、首都ジュバで大規模な戦闘が勃発、270人以上といわれる死者が出ました。稲田防衛相は10月初め、ジュバで国防副大臣や国連PKOのUNMISS代表と会い、「現地は比較的に落ち着いている」と報告しました。しかしUNMISSはその後、「この数週間、国内各地で暴力と武力衝突の報告が増加し、非常に懸念している」と発表。南スーダン軍報道官も10月14日、過去一週間に少なくとも60人が死亡したと発表しています。実際、内戦は北部にも南部にも広がっており、いつ、どこで再び大規模な武力衝突が起きるか分からない状態です。PKO協力法に定める「停戦の合意」の大前提は事実上崩壊しています。このような場合、政府はPKOへの参加を中断し、要員の撤退も考えるべきですが、それを「戦闘ではなく衝突だ」という言葉でごまかすのは法律無視であり、無責任ではないでしょうか。

2、自衛隊は現在、武力紛争の一方の当事者である南スーダン政府の同意に基づき、その支配地域で活動しています。そこに武器使用を伴う任務を付与するということは、政府軍・大統領派武装勢力がPKOやNGOの要員や住民を攻撃・虐待する場合、自衛隊は政府軍などに武器を向けるのでしょうか。あるいは副大統領派に武力で対抗するのでしょうか。その場合、自衛隊自身が紛争当事者になり、「中立原則」は失われるのではないしょうか。自衛隊員は矛盾に陥ることになります。

3、これらは、「内戦中の国でのPKO」という、そもそもPKO協力法が想定していない状況にPKO部隊・要員を派遣することによる無理、矛盾にほかなりません。それを無視して、武力行使できる自衛隊の派遣が国威発揚になるという発想があるなら、それは捨ててください。

4、いま南スーダンでは、難民は100万人以上、国内避難民は160万人とされ、ジュバ市内だけでも4万人の避難民がおり、政府軍などによる虐殺や暴力、レイプ、掠奪、破壊におびえ、食糧難で野草も食べながら生きながらえているとの報告もあります。UNMISSに参加するほとんどの国は警察官や専門家の派遣が中心で、支援物資などが届く各地の飛行場の警備や難民キャンプの管理などに当たっていると報告されています。「戦闘できる自衛隊」など、急務である停戦と和平の実現と、住民の生命と生活の維持・再建のための支援には役だたず、百害あって一利なしです。