この間の警察当局による国会周辺での行動に対する過剰警備に関する申し入れ

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警視庁麹町警察署長様

 戦争法案に反対する抗議行動の高まりのなかで、警視庁の警備警察官の対応について、容認しがたい事例があるので、文書をもって、改善方申し入れる。
 全体として、この間の国会周辺で行われている抗議行動の参加者に対する警察の対応における過剰警備と横暴は目に余るものがある。とりわけ、「安全」を名目に実行される国会議事堂周辺の地下鉄の駅の出入り口などの規制と、一方通行や大幅迂回などの歩道の通行規制は、年配者や障碍をもったひとへの配慮に欠け、また高圧的かつ不必要なもので、人権上容認しがたいもの、なかには生命の危険にまで及びかねない事例がみられる。

 以下、例をあげて事態の改善を要求する。

 7月16日、正午過ぎ、抗議の人びとが集まる国会正門前北庭側角の歩道上に、警察は鉄柵を配置した。狭い歩道上に設置された鉄柵は参加者および歩行者にとってたいへん危険なものであり、通行を確保するなら通例のようにコーンで十分だと抗議した。のちほど、鉄柵は撤去されたが、その後、通行になんらの支障は見られなかった。

 7月16日、総がかり行動実行委員会は正門前での午後の座り込み行動を終え、一旦、散会した。その際、正門前交差点を警官隊が鉄柵で一方的に閉鎖し、平穏に帰路につこうとした参加者の交通を妨害した。実行委員会は、麹町署の警備課長らにこの封鎖は不必要で、いたずらに混乱を引き起こすだけであることを申し入れ、封鎖は解除された。
 参加者は交差点を渡り始めたが、そのなかの年配の女性が体調を崩し、道路に倒れ込んだ。すると警察官がその女性を無理やり引きずり回したので、実行委員会は「病人を動かすな」と抗議した。間もなく医療関係者が駆けつけてきたが、その間中も、警察が女性を手荒に動かそうとするので、参加者は女性を囲み警察官ともみ合いになった。警視庁の腕章を着けた私服警官が、女性をまもろうとした実行委員の腕をねじり上げて、女性から引きはがそうとした。抗議のなかで、女性は医療関係者にまもられ、実行委員会の救護車に運ばれて休息した後、付き添いの人と共に帰宅した。結果として、危険な事態にならずに済んだ。麹町署の警備課長は実行委員会の責任者に対応の間違いを謝罪した。実行委員会は課長だけでなく、この警視庁の刑事に、役職と名前を名乗ること、警察が病人を勝手に動かそうとする危険、救助しようとした実行委員に暴力的に対応したこと、などについて抗議し謝罪を要求したが、この刑事は最後まで無言を通した。

 7月26日の国会包囲行動では、正門前の横断歩道は常時通行可能とされ、また南庭角の歩道を鉄柵で遮断することはなかったが、現場は何らの混乱も見られなかった。

 26日午後の抗議行動の際、内閣府の脇道(迂回路)の日陰で直射日光を避けて休んでいた年配の参加者を、第八機動隊の米山警部補指揮のもと、日向(ひなた)に排除したので、実行委員会の整理・誘導担当者らが抗議した。米山警部補は「日向で人が倒れたとしても、こんな時間にやる主催者が悪い」と暴言を吐いたため、これも抗議した。実行委員会は麹町署の責任者にも抗議し、通路を確保すれば、脇道に人がいても(当然のことながら)問題ないことを確認した。

 これらの事例に見られるように、この間の警備警察の対応が、憲法21条などに保障された言論表現の自由など、市民の基本的人権の保障に責任をおう立場からではなく、高圧的で、ただ単に上から管理することのみに集中している。これは極めて異常であり、遺憾なことだ。主催者は、戦争法案に反対する一連の行動を参加者に重大な事故がなく、無事、遂行されることを願って責任をもって、心を砕いているのであり、今回のような警察の対応によって、もしも人命に関わるような事態が引き起こされるなら、警備警察の責任は重大である。

 実行委員会は今後、こうしたことがふたたびくり返されないことを強く要請する。

2015年8月10日

戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会