戦争法案廃案を求める要請文


2015年7月28日の「戦争法案反対!7.28日比谷集会」に先立ち、総がかり行動実行委員会として、戦争法案廃案を求める要請行動を行いました。要請文を紹介します。


内閣総理大臣 安倍晋三 様

「平和安全法制」の廃案を求めます

 わたしたちは、この70年間、日本国憲法を誇りにしてきました。この平和憲法が世界に誓った、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起きることのないようにすることを決意」によって、二度と銃による平和や銃による支配の関係から脱却したのです。
この70年間、近隣諸国でのなんどかの戦争がありながらも、この平和憲法によってわたしたちは戦争に加担することなく、平和をかちとってまいりました。
わたしたちは、武器をとって、殺し、殺される関係にならなかったことを誇りにしてきました。世界の日本にたいする信頼もそのことによって、大きなものとなっています。
今回、衆議院において自公両党が強行可決した「平和安全法制」は、この誇るべき歴史を覆し、戦争と危険を招くものとして、いま世論の大多数が反対しております。学者や研究者が憲法違反の立法だと批判しています。
全国で広範な反対運動が起きているのは、かつての加害と被害の残虐な戦争の記憶が、それぞれのひとたちの胸の奥深くに突き刺さっていたからでした。
この沈痛な民の声に静かに耳を傾け、これから日本の進むべき道に思いを致すのが、為政者としての謙虚な態度というものでしょう。
わたしたちは、昨年7月1日の集団的自衛権行使容認の閣議決定、それにつづく今年7月16日の衆議院本会議での強行可決の撤回を求めます。
「平和安全法制」の廃案を求めます。
これからの歴史を誤らない。先人の教訓を謙虚に受け止めることを求めます。
「改むるに憚ること勿れ」の英断を求めます。

2015年7月28日

青井未帆(学習院大学教授)、愛敬浩二(名古屋大学教授)、雨宮処凜(作家・活動家)、石坂啓(マンガ家)、伊藤真(弁護士)、宇井孝司(アニメーション映画監督)、植野妙実子(中央大学教授)、上野千鶴子(社会学者)、内田雅敏(弁護士)、内橋克人(経済評論家)、浦田一郎(明治大学教授)、大江健三郎(作家)、大石芳野(写真家)、小山内美江子(脚本家)、小澤隆一(東京慈恵会医科大教授)、落合恵子(作家)、鎌田慧(ルポライター)、香山リカ(精神科医)、神田香織(講談師)、木内みどり(俳優)、清末愛砂(室蘭工業大学准教授)、古今亭菊千代(噺家・真打)、小室等(フォークシンガー)、小森陽一(東京大学教授)、早乙女勝元(作家)、佐高信(評論家)、佐藤学(学習院大学教授)、澤地久枝(作家)、ジェームス三木(脚本家)、瀬戸内寂聴(作家)、高作正博(関西大学教授)、高畑勲(アニメーション映画監督)、田中優子(法政大学総長)、鳥越俊太郎(ジャーナリスト)、なかにし礼(作家)、浜矩子(同志社大学教授)、樋口陽一(憲法学者)、広渡清吾(専修大学教授)、前田哲男(軍事評論家)、三上智恵(映画監督)、水島朝穂(早稲田大学教授)、宮里邦雄(弁護士・日本労働弁護団元会長)、武者小路公秀(国際政治学者)、森英樹(名古屋大学名誉教授)、森村誠一(作家)、山内敏弘(一橋大学名誉教授)、山口二郎(法政大学教授)、湯川れい子(音楽評論・作詞家)、和田進(神戸大学名誉教授)、和田春樹(東京大学名誉教授)、渡辺治(一橋大学名誉教授)