「安倍政治」に代わる政治を実現しましょう


7年8か月に及ぶ安倍晋三内閣が総辞職し、菅義偉政権が誕生しました。安倍首相退陣は、市民アクションとともに取り組んできた「安倍改憲NO!3000万人署名」や「発議阻止の緊急署名」を軸においた世論喚起の行動が後押しした国会内での安倍改憲阻止の野党共闘の発展が、安倍首相の明文改憲の野望を食い止め、立ち往生させた結果にほかなりません。安倍政権の新型コロナウィルス感染対策への批判や、森友・加計問題、桜を見る会疑惑や検察庁法「改正」でも露見した政治の私物化への怒りも、安倍政権を追いつめました。

菅政権発足から半月あまりたちました。新政権が、「安倍政治」を継承し、定着させる動きを強めていることがはっきりしてきました。

菅首相は、目指す社会の姿として「自助、共助、公助」を掲げ、「まず自分でやることは自分でやる」と述べて、自己責任の押しつけを強く打ち出しています。規制改革と行政改革でさらに公共サービスを切り刻み、中小企業の淘汰や地方銀行の再編で地域経済をさらに深刻にする姿勢も露骨です。

デジタル庁の新設や携帯電話料金の引き下げなどでの「改革」姿勢を打ち出す陰で、コロナ危機の下でその失敗があらわになった新自由主義改革にひた走る菅内閣の姿勢は鮮明です。

同時に、憲法を軽視し隙あらば改憲を、の姿勢も露骨です。新内閣発足後の早期国会召集を先送りし、憲法53条に基づく野党の国会召集要求に応じません。改憲に「政府の立場で挑戦」と述べ、国会での改憲論議の促進を迫り、国連演説で「積極的平和主義」を訴えるなど、改憲姿勢も軍事大国化への野望も隠そうとはしていないのも菅政権です。

官僚支配、マスコミ支配をさらに強め、官邸に権限を集中して政治の私物化をさらに深刻化しかねない動きも強めています。

自民党内の政権のたらいまわしでは政治は何一つ変わらず、むしろ新自由主義と復古主義の「安倍政治」がより強まっていくことはさけられないことがはっきりしました。

菅内閣が、コロナ感染の収束が見通せないにもかかわらず、PCR検査や医療、公衆衛生の拡充、暮らし、生業の困窮に手を打たないままに、GOTOキャンペーンなどの経済活動に重点を置いた結果、いのちの危機がより深刻になり、持てる者と持たざる者の格差がさらに拡大しています。安倍前首相の置き土産である敵基地攻撃能力の保有論議を進め、憲法解釈を変更し、際限のない軍拡に突き進もうとしていることも軽視できません。これ以上の憲法破壊を許さない正念場の状況です。

9月25日に市民連合は、「立憲野党の政策に対する市民連合の要望書」を野党に提出しました。きたる総選挙を「いのちと暮らしを軸に据えた社会像についての国民的合意を結ぶ機会」と位置づけ、「新しい社会構想を携えた野党による政権交代」をともにめざすとしています。

総選挙で菅内閣を倒して政権交代を実現し、「安倍政治」に代わる政治、憲法にもとづき市民のいのちをまもる政治への転換の希望がふくらんできました。

政権交代への希望のうねりを大きくするために私たちも力を寄せ合いましょう。改憲発議阻止の署名なども活用して、市民と野党が力を合わせて政治を変える大きな動きを作り出しましょう。全国各地の総がかり行動を大きく前進させ、たたかいで菅政権を打倒しましょう。

2020年10月2日
戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会